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「かわいい」とは? [本の感想]

イベントのためということではないのだが、この研究、以前から気になっていたので。


「かわいい」のちから 実験で探るその心理 (DOJIN選書)

「かわいい」のちから 実験で探るその心理 (DOJIN選書)

  • 作者: 入戸野 宏
  • 出版社/メーカー: 化学同人
  • 発売日: 2019/06/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

自分が何を求めてアンジュルムを推しているのか論理的に整理できた。なぜ、「かわいい」に惹かれるのか、何が行きすぎると危険なのかなどもよく理解できた。


最初に出てきてとても重要だなと思ったのは、『「かわいい」の定義は、見られる側に存在する属性ではなく、見る側の感情(反応の1項目)である』ということだ。


この定義に触れるまでは、ももちが言っていた『「かわいい」はファンが勝手に見つけるもの』という定義にかなり納得していたのだが、これでも『何らかかわいいとされる属性を見られる側は持っているのだが、それは見る側の価値観によって勝手に見いだされる』ということで留まっていたのだなぁと。確かに属性らしきものがあると勝手に思っていた。


この本によれば『属性が多様にすぎるということは特定のかわいいというもの(形質、言動、行動など)は存在しない。しかし、何かの状況に際して、見る側の反応としてかわいいという感情を持つ場合があるということは確からしい。故に、「かわいい」は見る側の属性に依拠するものではなく、見られる側の感情の問題』ということになるようだ。


言われてみれば納得できる。あくまでもこちら側が感嘆するだけであって、特定の属性に必ずかわいいと反応することはあり得ない。ベビースキーマーなども読む前までの自分の理解よりも不安定らしい。
なので、属性的に見られる側に『かわいい』を求めることは意味がないということは改めて明確になったなぁと。もちろん他の属性も含めてやらないようにはしてきたつもりだが、このロジックで行くと、属性的な「かわいい」を推しなどに対して求めるということは、極めて個人的な情動を相手に対して表明をしているということになるなぁと。
つまり、個人的な性癖を推しに向かって一生懸命説明するようなものになるのでかなり恥ずかしいということに・・・・・色々肝に銘じつつ生きていこうと思いましたw

単純に実験心理学の本としても面白かったです。



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まさか、そんな方向に議論がなされてるとは・・・。 [本の感想]

どのように崩壊していったのか、なぜ、崩壊したのかではなく、そもそも崩壊したと言えるのか?がメインテーマだとは・・。
しかし、『崩壊しなかったと解釈しよう』という流れが結構強いということに驚かされたことは事実。


ローマ帝国の崩壊: 文明が終わるということ

ローマ帝国の崩壊: 文明が終わるということ

  • 作者: ブライアン ウォード=パーキンズ
  • 出版社/メーカー: 白水社
  • 発売日: 2014/06/20
  • メディア: 単行本

 

現在のヨーロッパを否定できないので、ローマ西側の崩壊を融和ととらえようとするというのには納得。多分に政治的な問題なのね。歴史解釈なんてどうしてもそういう議論に巻き込まれるということか。

崩壊の理由としては社会が高度化し、個々の役割の専門化が進むことで、他者の問題に当事者意識をもてなくなるといったところだろうか?
まあ、現世での問題解決を神にゆだねということ自体が堕落だといえばそれまでなのかもしれないが・・・。




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人間って悲しい・・・・ [本の感想]


シークレット・レース (小学館文庫)

シークレット・レース (小学館文庫)

  • 作者: タイラー ハミルトン
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2013/05/08
  • メディア: 文庫



ドーピングを調整することもプロフェッショナルの証、という何とも皮肉な時代のツールを走っていたトップレーサーの告白(まあ、今が完全にクリーンだなんて話は信じてないけどさぁ・・・。厳しくはなったみたいなので)。

彼らのやり方は間違っている、悪だというのは簡単だが、『おまえ、その状況で選んでみろ』といわれれば悩むだろうなぁ。『ドーピングしていることが有利』なのではなく『ドーピングしていないことが不利』なんだから、フェアな勝負をしたければ『ドーピングを受け入れるしかない』というまじめな人ほど説得されてしまうややこしい状況。

状況自体が狂っているというか、スポーツってやっぱり興業なんだなと改めて思う。そして、スポーツとか、芸能とか、他人の夢を背負いやすい仕事をしている人に、夢を乗せてみるのもいいのだが、ほどほどにしてあげないと、乗っかられる方も後に引けなくなるのだなと。

やっぱり自分の夢を追わないとね。

『・・・たかが自転車レースじゃないか』、最後、これに少し救われる。
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非線形は取り扱えないことを素直に認めること [本の感想]

相変わらず読むと仕事がしにくくなる。

強さと脆さ

強さと脆さ

  • 作者: ナシーム・ニコラス・タレブ
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2010/11/27
  • メディア: 単行本

 

ある種の予測を販売しているので、予測という行為自体をいつも考えさせられる羽目になるので。

ただ、非線形な成果を望みながら、設計を線形にしようとすることには私も違和感を覚えるので、そのあたりはまだ踏みとどまっている感じだろうか?

 

よくよく考えたら合目的的にチームを設計するということと、合目標的にチームを設計するということは同じようで違うのかもしれない。その意味では合目標的にチームを設計できるかもしれないが、合目的的には形成するためのトライアンドエラーをしていくしかないのかもしれない。

 

 行為の後の影響とその広がりについて考えるというのと、極端な拡大と極端な崩壊が起こる可能性のある世界には立ち入らないというのは忘れないようにしないと。


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極めて当たり前のこととして [本の感想]

結局、人間の欲求の暴走を止めるには透明化とインセンティブしかないのだろうか?

 

大いなる不安定

大いなる不安定

  • 作者: ヌリエル・ルービニ
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2010/10/01
  • メディア: 単行本

 

まあ、ようするに情報格差が何らかの価値(らしきもの)を見せ、それを狂騒的に利用しようとすればこうなることは当たり前に予測できる、というのは著者の言うとおりなのだろう。

しかし、政府が救ってくれることがモラルハザードになり、より高いリスクを求める、というのはなんと人間とは度し難いものだと思ったりもする。しかし、なるほどとも思う。そうまでしたいのかぁ・・・まあがんばれ、だがこっちには来るな、という感じだ。

 

まあ、確かに、投資を中心とした銀行における規模なんて言うものは何の意味もないだろうから、大きくなりすぎた銀行から規制をかけて分割してしまうというのは面白いのかもしれない。逆張りするヤツが増えれば安定するというのが法則なのだろうから、プレーヤーが増えればそれだけ逆張りするヤツも増えるかもしれない。

あと、責任のどん詰まりとしての政府というのは、今後も成り立っていくのだろうか?結局政府(中央銀行)もいちプレーヤーにしか過ぎないと考えると、相対優位の取り合いをしていって、結局世界全体の付加価値は上がるのだろうか?

個人的には政府や中央銀行もよさそうな手は何でも使って、逐次的に反応していくしかないのだと思う。手をこまねいて静観するというのは金融にかかわる人はやってはいけない手段なのだろう。逆に互いに完全に利己的に動かないと、不安定要素は大きくなるような気もするのだが。

唯一わかっているのは、世界は継続していくかもしれないが、それは人が考えうる範囲の世界だということ。認識を広げるためにはやはり教育なのだろうから、 その意味で人中心の社会というものを考えることは重要なのだとは思うのだが。

 


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もう一年経ったのか・・・ [本の感想]

文庫版の『ローマ人の物語』最新刊が出ました。衰退していく国家(てゆうか組織)について考えてみようということで読み始めましたが、やはり切ないものがありますね。

 ※まだ全部読んでいないが・・・

ローマ人の物語〈38〉キリストの勝利〈上〉 (新潮文庫)

ローマ人の物語〈38〉キリストの勝利〈上〉 (新潮文庫)

  • 作者: 塩野 七生
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2010/08/28
  • メディア: 文庫
 
 

『神』という概念は『人間社会のことは人間が解決する』という当たり前の覚悟と原則を最も簡単に放棄させてしまうものだと思っている。ただ、『神』という概念が悪いのではなく、『神(それも絶対的な)』を受け入れざるを得なくなってしまったローマという国家、その前までに目を向けなければならないのだと思う。

マルクス・アウレリウスが『終わりの始まり』という皮肉から、『平和が人間にもたらすものが堕落』という解答が出てきそうだが、それだけであまりにも切なすぎる。単純な軍国主義者が小躍りしそうな結論だ。

おそらく、血を流し合うことだけが人の世界における戦いと考えることが間違いなのだと思う。人の世おける『いくさ』とは単純に自分と他人の違いから端を発している刺激(ストレッサー)のやりとりの事なのだろうと思っている(おそらく多対一でも一対多でも同様だろうが)。もしくは環境対人間でもよい。その刺激にどれだけ人として向き合えるかによって人としての当たり前から外れない生き方や社会制度を構築していくことも可能なのだろうと思っている。

マルクス・アウレリウスがすべきだったことは、ジブラルタルの向こうに船を出すか、アフリカに探検隊を出すかといった、フロンティアに歩を進めることだったのかもしれない。

人間誰しも自分の領域の中でフロンティアを持っているのだろう。それに向かって自分なりの方法で真摯に歩んでいくというのが『平和と堕落』をつなげさせない方法なのかなと今のところは思っている。まあ、日々実践していくのは難しいが、そういうフロンティアを歩く日を一日でも多く増やそうとしながら生きていくしかないのかな?とは思う。そんなことを思いながら『一年経つのは早いなぁ~』と思っている時点で無駄に過ごしてきたような気もする(つながった)。


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NASA本 [本の感想]

NASAのチームビルディング

NASAのチームビルディング

  • 作者: チャールズ・J・ペレリン
  • 出版社/メーカー: アチーブメント出版
  • 発売日: 2010/06/30
  • メディア: 単行本

 考え方としてはよくわかる。マーケティング的にもよくわかった。そういう風にお客を誘導するのね・・・。

個人的には、その先が必要なのではと思っている。まあ、どんなものでも分類から始めないといけないのだろうが。こういった順序でチーム構築を考えていくことが広がることは重要であると思う。コンテクストは日本語にしてください。

純粋に読み物としてはこっちのほうが面白い。

NASAを築いた人と技術―巨大システム開発の技術文化

NASAを築いた人と技術―巨大システム開発の技術文化

  • 作者: 佐藤 靖
  • 出版社/メーカー: 東京大学出版会
  • 発売日: 2007/05
  • メディア: 単行本

 歴代の天才達(フォンブラウンとか)がどのようにチーム(組織)を作ったか(ある種強引に)よくわかる。一般化できないが、多かれ少なかれ制約条件の中で自分たちの自由度をどう求めていくか、みたいなことが見えてくる。だから、決まりだからという前に積極的に環境に介入して、自分たちの居場所を確保していくことも重要な能力なのだなと感じる。

官僚組織だろうが、突出する人は勝手に自分の居場所を確保するのだなと(いいことか悪いことかわからないが、そういう組織形成のパターンが存在するということだろう)。


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電車の中でニヤニヤしてしまった・・・ [本の感想]

いや~俺が言うのも何だが、書き方がうまい。ベストバイのくだりは笑ってしまった。ビジネス書でこれだけ笑いながら読めるものも珍しい。

どうせ読むだろうと思い、買ってしまった。他にも目についたものを2冊ぐらい。まあ、これは原書じゃなくてもいいだろう。

ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階

ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階

  • 作者: ジェームズ・C・コリンズ(James C. Collins)
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2010/07/22
  • メディア: 単行本

 しかし、人間というのは悲しいぐらい自分の強みを弱みに転化してしまう。ビジョナリーであることも、リスクを取らないことも、ある状況下では絶対に必要なことなのだが、別の状況下では企業を狂わせる劇薬になってしまうという・・・・。

皮肉だといって笑えばいいものではない。おそらく、当たり前に存在する『状態』なのだろう。単純にそういった揺り戻しを繰り返す『状態』の中にしか成功の道(衰退に落ちない道)がないと言うことなのだろう。その振幅をどこまで許容できるのか?自問自答を繰り返しながら日々摺り合わせていくしかないということだろうか。


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質問紙法なんて過去の遺物になるだろうから [本の感想]

今の内にがんばって応用範囲を広げておかないと。

脳の研究についての本が沢山出ているので、改めて何冊か読んでみた。まあ、性格特性をある程度脳を測ることで観察可能らしい。そうなってくると本当に入社前に脳の検査をさせられる時代が来るかもしれない・・・なんてことはあまり思わないけど。

結局何らかの人間の特性を理解するという場合、ある程度統合的な脳の活動の結果になってしまうだろうから 、脳を深く分析していくことでわかることは増えていくが、その分レイヤーが深くなりすぎて、現実の社会的な活動と統合しにくくなると思う。まあ、クォークの動きが、鉄のバルクの性質とあまり関係がないことと同じような感じになるのではないか。脳について細かくわかっていくのと同時に、現実世界でうまく脳を使う技術というのも発展するのだろう。

そんな脳研究の未来を考える前に、最近記憶力が落ちてきている自分の脳を何とかしないと(刺激足りないのかな???)

 

※最新の研究についてよくわかる。日々発展してるんだなと。

個性のわかる脳科学 (岩波科学ライブラリー 171)

個性のわかる脳科学 (岩波科学ライブラリー 171)

  • 作者: 金井 良太
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2010/06/09
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

それでうまくいったし、うまくいけばそれでよい [本の感想]

『数学的モデルに求められることは、ある事実が数学的モデルで記述できると考えられるとき、そのモデルで問題の事実がすべて説明できること、そして基礎となる前提に無駄がないこと、ただそれだけである。』

数学は最善世界の夢を見るか?――最小作用の原理から最適化理論へ

数学は最善世界の夢を見るか?――最小作用の原理から最適化理論へ

  • 作者: イーヴァル・エクランド
  • 出版社/メーカー: みすず書房
  • 発売日: 2009/12/18
  • メディア: 単行本

 

モデルが出した結果を理解することと、モデル自体の意味を問うことは別ということか。

もう少し数学的な話の本かと思っていたが、数学史、科学史といった趣で進んでいる。まだ3章程度しか読んでいないのだが、フェルマーとデカルトの対比などは面白い。意味的にはアインシュタインとボーアにも似ているということだが、そんな逸話をすでに聞いてしまっている21世紀の住人としては、『宇宙は揺らぎの中にたまたまバランス良く成立したからその偏りによって何が起きるかわかりません』的な宇宙観の方が何となくしっくりくるような気もする。

人間はデカルト的な夢を見て、フェルマー的な現実を知るということでいかがでしょうか?

まあ、続きがあるので、それを読んでからまた。 それにしてもAmazonのレコメンド、やってくれるなぁ(見事買わされたよ・・・)。


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